二度と経験できない宝物 ≪笑劇場≫
アレッチ氷河エリアに住む羊の少年、メ―くんは
とても好奇心旺盛だが恥ずかしがり屋でいたずら好きの男の仔。
ある日、見慣れない顔つきの、明らかにスイス人ではない女性が
氷河の見える絶好の場所である、彼らの休憩所にやってきた。
ヤギボスはすぐに彼女を仲間として受け入れた。
彼女は終始、笑顔で彼らと一緒に写真を撮ったり、
彼らのしぐさを観察しているようだった。
ヤギママはすぐに彼女を気に入って、彼女のそばから離れない。
メーくんも彼女とお友達になりたくて近づいてみたものの、
彼女はヤギママばかり見ている。
メーくんは、彼女に自分の存在を見つけてほしかった。
・・・すると、いいものが目に留まる。
何か仲間の臭いがする小さなケース。
パクっと加えて走り去ろうとしたところ・・・
彼女がすぐさま気が付き、メーくんを追いかけた。
そして、彼女はメーくんに向かってとっさに、日本語で叫んだ!
「やめて―、返してー」と。
すると、メーくんはポトッとその場でケースを口から放した。
日本語が通じたのか?
いやいや、それはない!
メーくんはきっと彼女が自分の存在に気が付いてくれて
満足だったのだろう。
お別れのとき、彼女は名残惜しそうに彼らの集合写真を撮った。
(ひとりだけ、岩の上で振り向いている羊くんが、今回の主人公のメーくんである。)
彼女は同じルートで戻ったが、全く違った風景に見えた。
メーくんのことを思い出しては微笑み、疲れ知らずでハイキングを終えた。
ホテルに戻って、メーくんにお手紙を書こうと思ったが、
♬やぎさんゆうびんの歌を思い出す。
大切な思い出として彼女はメーくんのことを今でも忘れない。
二度と経験できないであろう。
このユニークな体験は
今も鍵付きの大切な心のアルバムに残っている。
メーくんがくれた思い出の宝物として。
終わり
※Based on a True Story.







20130713
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